○八女市議会基本条例

平成21年12月11日

条例第178号

(前文)

地方議会は、多様な民意を反映しつつ、団体意思の決定を行う機能及び執行機関の監視を行う機能を担い、地方自治の本旨の実現を目指すものである。

八女市議会(以下「議会」という。)は、市民の直接選挙で選ばれた議員で構成し、同じく市民に選ばれた市長とともに二元代表制の一翼を担い、市民の信託を受けて、市民の福利のため活動するものである。

議会は、市民の意思を代弁する合議制機関であることから、自らの創意と工夫、そして自己研鑽により市民と協働のまちづくりを目指していかなければならない。

よって議会の公正性、透明性を保ち、市民に開かれた議会、市民とともに歩む議会及び市民に信頼され存在感のある議会を目指す姿をここに定めるものである。

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会及び議員に関する基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確に応え、もって市民福祉の向上及び公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(平23条例17・令4条例19・一部改正)

(議員の政治倫理)

第2条 議員は、八女市政治倫理条例(平成16年八女市条例第12号)を規範とし、遵守しなければならない。

(議会の活動原則)

第3条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 公正性、透明性等を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 市民の多様な意見を的確に把握し、市政に反映させるための運営に努めること。

(3) 市民にとって、分かりやすい言葉を用いた説明に努めること。

(4) 議会内での申し合わせ事項は、不断に見直しを行うこと。

(5) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営を行うこと。

(議員の活動原則)

第4条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を重んじること。

(2) 市政の課題全般について、市民の意見を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研鑚によって、市民の代表としてふさわしい活動をすること。

(3) 議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとらわれず、市民全体の福利の向上を目指して活動すること。

(市民参加及び市民との連携)

第5条 議会は、市民に対し議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開とする。

3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第100条の2の規定による専門的知見と、法第115条の2(法第109条第5項において準用する場合を含む。)の規定による公聴会制度と参考人制度を十分に活用して、市民の専門的、政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努めるものとする。

4 議会は、市民からの請願を政策提言と位置づけ、その審議において、請願者の意見を聴く機会を設けるものとする。

(平25条例3・令2条例26・一部改正)

(市民と議会の意見交換会)

第6条 議会は、市政全般にわたって、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する市民と議会の意見交換会を行うものとする。

2 議会は、市民と議会の意見交換会によって、議員の政策立案能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図るものとする。

3 市民と議会の意見交換会に関することは、別に定める。

(平31条例6・令2条例26・一部改正)

(議会と市長等執行機関の関係)

第7条 議会は、議案審議における議員と市長等執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)との関係について、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めなければならない。

(1) 本会議における議員と市長等との質疑応答は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。

(2) 議長から本会議及び委員会への出席を要請された市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して反問することができる。

(3) 議員は、会期中又は閉会中にかかわらず、議長を経由して市長等に対し文書による質問を行うことができる。この場合において、市長等に文書による回答を求めるものとする。

(4) 議会は、議員が行う市長等への口頭による要請に対して、両者の関係の透明性を図るため、日時、要請内容、対応、経過等を記録した文書を作成するよう市長等に求めるものとする。

(令2条例26・一部改正)

(市長による政策等形成過程の説明)

第8条 議会は、市長が提案する重要な政策等について、議会審議における論点情報を形成し、その政策水準を高めることに資するため、市長に対し、次に掲げる事項について説明を求めるものとする。

(1) 政策等の発生源

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討

(4) 市民参加の実施の有無とその内容

(5) 総合計画との整合性

(6) 関係法令、条例等

(7) 財源措置

(8) 将来にわたるコスト計算

(令4条例19・一部改正)

(予算及び決算における政策説明)

第9条 議会は、予算案及び決算を議会に提出し、議会の審議に付すに当たっては、分かりやすい施策別又は事業別の政策説明資料を作成するよう市長に求めるものとする。

(令4条例19・一部改正)

(議会の合意形成)

第10条 議会は、議員による討論の場であることを十分に認識し、議長は、市長等に対する会議等への出席要請を必要最小限にとどめ、議員相互間の討議を中心に運営しなければならない。

2 議会は、本会議、委員会等において、市長提出議案、市民提案等に関して審議し結論を出す場合、議員相互間の自由な討議により議論を尽くして合意形成に努めるものとする。

3 議員は、前2項による議員相互間の自由な討議を拡大するとともに、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うものとする。

(令2条例26・一部改正)

(政策検討会等)

第11条 市政に関する重要な政策及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成を図り、合意形成を得るため、政策検討会等を設置することができる。

(令4条例19・一部改正)

(委員会の活動原則)

第12条 委員会は、その所管に属する議案審査、事務調査、請願等の審査を充実し、その機能を十分に発揮しなければならない。

2 委員会は、審査等に当たって、委員相互の議論を行い、委員会としての合意形成に努めるとともに、必要に応じて、市長等に対して要望及び政策提案を行うものとする。

3 委員会の運営については、八女市議会委員会条例(平成3年八女市条例第9号)の定めるところによる。

(令2条例26・全改)

(会派)

第13条 議員は、議会活動を行うに当たり、八女市議会会派規程(令和元年八女市議会告示第2号)に基づき、会派を結成することができる。

(令2条例26・追加)

(政務活動費の執行)

第14条 議員は、政策立案又は提案を行うため、及び調査、研究その他の活動に資するために交付される政務活動費の執行に当たっては、八女市議会政務活動費の交付に関する条例(平成13年八女市条例第8号)及び八女市議会政務活動費の交付に関する規則(平成13年八女市規則第8号)を遵守しなければならない。

(平25条例3・一部改正、令2条例26・旧第13条繰下)

(議員研修の充実強化)

第15条 議会は、議員の政策形成、立案能力の向上等を図るため、議員研修の充実強化に努める。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、有識者等による研修会を積極的に開催するものとする。

3 議員は、研修終了後、議長又は委員長の求めに応じ、報告書を提出しなければならない。

(令2条例26・旧第14条繰下・一部改正)

(議会事務局の体制整備)

第16条 議長は、議員の政策形成及び立案を補助する組織として、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努める。

(令2条例26・旧第15条繰下)

(議会図書室の利用)

第17条 議会は、議会及び議員の調査研究に資するため、議会図書室の図書等の充実に努め、その有効活用を図るものとする。

(令2条例26・旧第16条繰下)

(議会広報の充実)

第18条 議会は、議案に対する各議員の対応を議会だよりで公表する等、情報の提供に努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会及び市政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

(令2条例26・旧第17条繰下)

(議員定数)

第19条 議員定数は、行財政改革の視点だけではなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するものとする。

2 議員定数の基準は、人口、面積、財政力及び市の事業課題並びに類似市の議員定数と比較検討し、決定するものとする。

3 議員定数の条例改正議案は、市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き、議員定数の基準等の明確な改正理由を付して、法第109条第6項又は第112条第1項の規定に基づき、委員会又は議員から提出するものとする。

(平25条例3・一部改正、令2条例26・旧第18条繰下)

(議員報酬)

第20条 議員報酬は、行財政改革の視点だけではなく、市政の現状及び課題並びに将来の予測及び展望を十分に考慮するものとする。

(令2条例26・旧第19条繰下・一部改正)

(災害対応)

第21条 議会は、災害時において、議事機関としての機能を維持するよう努めなければならない。

2 議会は、市民の生命及び財産を災害から保護するため、八女市災害対策本部とともに、防災活動を実施する。

3 議員は、災害対策、人命救助等に関わる各種講習会に積極的に参加し、知識の習得に努めなければならない。

4 災害発生に際して議会の対応は、八女市議会における災害発生時の対応要領(平成24年10月2日全員協議会)によるものとする。

(令2条例26・追加)

(最高規範性)

第22条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例についての研修を行わなければならない。

(令2条例26・旧第20条繰下)

(見直し手続)

第23条 議会は、改選後任期中に1回以上、この条例の目的が達成されているかどうかを議会運営委員会において検討するものとする。

2 議会は、前項による検討の結果に基づいて、この条例の改正を含む適切な措置を講じるものとする。

3 議会は、この条例を改正する場合には、全議員の賛同する改正案であっても、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。

(令2条例26・旧第21条繰下、令4条例19・一部改正)

この条例は、平成22年2月1日から施行する。

(平成23年3月30日条例第17号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成25年2月28日条例第3号)

この条例は、平成25年3月1日から施行する。

(平成31年3月15日条例第6号)

この条例は、平成31年5月10日から施行する。

(令和2年9月16日条例第26号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和4年9月14日条例第19号)

この条例は、公布の日から施行する。

八女市議会基本条例

平成21年12月11日 条例第178号

(令和4年9月14日施行)

体系情報
例規集/第2編 議会・選挙・監査/第1章 会/ 議会の基本
沿革情報
平成21年12月11日 条例第178号
平成23年3月30日 条例第17号
平成25年2月28日 条例第3号
平成31年3月15日 条例第6号
令和2年9月16日 条例第26号
令和4年9月14日 条例第19号