【報告】八女茶のESG評価分析~世界基準の価値可視化による「儲かる農業」への挑戦~
八女市は現在、国内の茶消費減や生産者の高齢化という厳しい現実に直面しています。この状況を打破し、次世代へ誇れる産業を築くため、九州大学発スタートアップ企業である「株式会社aiESG」をパートナーに迎え、「八女茶のESG評価分析」を実施しました。
なぜ今、ESGなのか
ESG評価とは、企業への投資価値を評価する指標として使われるもので、「環境面(Environment)」、「労働面(Society)」、「管理体制面(Governance)」の3つの観点から評価する仕組みです。
国内では、生活様式の変化などによりリーフ茶の需要は減少傾向です。一方で、世界的な緑茶・抹茶ブームにより海外需要は急拡大しています。
八女茶の品質は既に国内外で高く評価されています。この先海外市場を広げていくためには、高い品質に加えて「環境への配慮(E)」「労働条件などの社会リスク(S)」「透明性の高い統治(G)」といった「目に見えにくい価値」を客観的な数値で示すことが不可欠となっています。

分析結果

八女茶が持つ「世界トップクラス」の証
今回の分析により、八女伝統本玉露をはじめとする八女茶は、中国産煎茶などと比較して以下の点で優位にあることが定量的に証明されました。
低リスクな生産体制
温室効果ガス排出量や水使用量、労働条件などの社会リスクにおいて、相対的に極めて低リスクである。
伝統的栽培の価値
長年受け継がれてきた栽培方法が、結果として環境負荷の抑制や社会リスクの低減につながっている。
改善点の「見える」化
肥料使用量や排出ガスなど、数値化によって「具体的にどこを改善することができるか」という次の一手が見える化された。
ESG評価分析結果の活用
今回の評価分析は、八女茶の高い品質にさらに付加価値をつけることに繋がる第一歩となりました。今後は、分析結果を活用しながら八女茶のさらなる高付加価値化を図ってまいります。
輸出市場での差別化
国際市場での差別化を行ううえで、八女茶のESGリスクの低さは大きな強みとなります。世界中の消費者に、「八女茶は低リスク・安心・安全」という面をアピールしてまいります。
伝統文化と持続可能性
600年を越えて続く伝統的な製法と、現代の環境への配慮を融合させた数少ないブランドとして八女茶を発信し、希少性の高いブランドとしてポジショニングを確立していきます。
今後の展望
ESG評価は「ゴール」ではなく一つの「手段」
市では、令和8年度より新設した輸出戦略課を中心に、ESG評価分析をお茶をはじめ他の特産品へ展開し、海外戦略に向けた活用を検討していきます。
価格転嫁と販路拡大
数値による説得力を持った「信頼のストーリー」をパッケージ化し、海外の消費者へ直接届けることで、高付加価値化を目指します。
八女地域のブランディング化
八女市の特産品が作られている「八女」という地域をESG評価により数値化し、消費者が安心して選択できるようサプライチェーンをはじめ、地域の見える化を目指すことで「八女」の海外からのブランディングに寄与させます。
八女市全体のブランドの再定義
八女茶でのモデルケースを起点に、この知見を日本酒、伝統工芸、さらには観光分野へと波及させていきます。
自治体に眠る「見えない価値」を世界基準で再定義し、トップの意思決定と現場の理解を両輪として、持続可能な地域産業の再生に邁進してまいります。
この記事に関するお問い合わせ先
農業振興課 農産園芸係
〒834-8585 福岡県八女市本町647番地
電話番号:0943-22-8780
ファックス:0943-23-5411
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