縁がつくるまち(2014年10月15日更新)

みなさんこんにちは。八女市長の三田村です。

台風の進路から目が離せなかった週末でした。台風の規模が大きく勢力も強かっただけに、収穫を間近にしたフルーツなどの農産物への影響を心配していましたが、大きな被害もなかったようでひと安心です。台風シーズンはもう少し続きますので、対策には気を引き締めてあたりたいと思います。

さて、今年度は市制施行の60周年と合併から5周年の節目の年として、様々な記念事業を実施しています。そのひとつとして、歌手のさだまさしさんによるアコースティックライブがおりなす八女で開かれました。こちらも台風の影響を心配しましたが、超満員の会場はお馴染みの名曲と軽快なトークで大変盛り上がりました。さだまさしさんをはじめとしまして、このイベントの開催にご尽力いただいた関係者には心より感謝を申し上げます。

さだまさしさんは長崎のご出身ですが、同郷には文化勲章を受けられた文芸評論家の山本健吉さんがいらっしゃいます。山本さんの生前に、このおふたりが結ばれた深交は「親子同然」であったと伺いました。いま山本さんは、妻で俳人の石橋秀野とともに八女の地に眠り、その父である作家の石橋忍月も八女に深い関わりを持っています。今回の事業は、単なる著名アーティストによる公演にとどまらず、長い間に関係者の間で育まれてきた縁が実現させた意義深いものでした。

「よいまちづくり」は私たちの職責であり、いつもそのことに考えを巡らせ日々努力を重ねています。その手法も、大きな事業による派手なものから小さな地域のイベントまで多種多様です。今回は、国民的な人気を誇るさだまさしさんの魅力と、その縁を大切に守り続けてきた地域の努力が結実させたすばらしい記念事業になりました。人と人との心のつながりがまちづくりに生きたよい事例としてノートに書き留めておきたいと思います。