日本国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています

現在、海外における麻しんの流行が報告されており、日本国内においても海外からの輸入症例を契機とした感染事例が報告されています。今後、更なる輸入症例や国内における感染事例が増加する可能性がありますので、ご注意ください。

 

麻しん(はしか)とは

麻しんとは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。麻しんウイルスの感染経路は、空気感染飛沫感染接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。

 

症状

感染して約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1,000人に1人と言われています。

その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。

 

症状について

前駆期(カタル期)

潜伏期間10日から12日を経て発症します。38℃前後の発熱が2日から4日続き、倦怠感があり、小児では不機嫌になります。咳、鼻汁、咽頭痛や目の充血、目やに、羞明(まぶしく感じる)が現れ、次第に強くなります。乳幼児では8~30%に下痢、腹痛があります。

発疹が出る1~2日前頃、口の中に約1ミリ径の白い斑点であるコプリック斑がみられ、発疹出現後2日目の終わりまでに急速に消失します。

発疹期

カタル期での発熱が1℃程度下降した後、半日のうちに再び高熱(多くは39.5℃以上)が出るとともに、特有の発疹が耳の後ろから顔面にかけて出始め、身体全体に広がります。全身に広がるまでに発熱(39.5℃以上)が3~4日間続きます。

回復期

発疹が出た後、3~4日間続いた発熱も解熱し、全身状態、活力が改善してきます。赤い発疹が消えた後に褐色の色素沈着が残るのが特徴です。合併症のないかぎり、7~10日後に回復します。

 

麻しんが疑われる場合の対応

麻しんが疑われる症状が出現した場合は、医療機関を受診する前に電話連絡を行い、受診するようにしてください。その際は、約10~12日前の行動を思い出し、特に麻しん患者との接触があった場合、海外や麻しんの発生が確認されている場所に行なっていた場合などには、その情報も伝えましょう。また、その場合は、公共交通機関を利用しないようにするとともに、できるだけ外出を控えるようにしてください。

ただし、呼吸困難やけいれんなどの症状がみられる場合は、早めに主治医に相談しましょう。

 

予防について

麻しんは感染力がとても強いため、手洗いやマスクのみでの予防はできません。しかし、予防接種を行うことにより95%以上の人が免疫を獲得し、感染を予防することができます。予防接種は、自分が感染しないためだけでなく、周りの人に感染を広げないためにも有効です。

予防接種について

1.予防接種法に基づく定期予防接種の対象者の方は、無料で接種できます。
第1期:生後12月から生後24月に至るまでの間にある者
第2期:5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者
2.定期予防接種の対象でない場合は、任意接種(有料)となります。また、妊婦の接種はできません。

 

予防接種を希望される方

医療機関へお問い合わせください。定期の予防接種の対象者以外の方で、麻しんの予防接種を希望される場合は、予防接種法に基づかない任意の接種で受けることができますので医療機関の医師にご相談ください(費用は自己負担となります)。

 

海外へ旅行や出張を予定されている方

麻しんの罹患歴や予防接種歴を確認し、接種していない場合や接種歴が不明な場合は、予防接種を検討してください。特に、麻しんの流行がみられる国に渡航される方は、予防接種をご検討ください。なお、海外の流行情報は「厚生労働省検疫所(FORTH)ホームページ」で確認することができます。

参考

この記事に関するお問い合わせ先

健康推進課 感染症予防係
〒834-8585 福岡県八女市本町647番地
電話番号:0943-24-9149
ファックス:0943-23-1331

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