○八女市空き家等の適正管理に関する条例

平成26年9月26日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、空き家等が放置され、管理不全な状態になることが生活環境上又は防犯上若しくは防災上多くの問題を生じさせ、更には地域コミュニティの活力を低下させる原因の一つになっていることに鑑み、空き家等の適正な管理について市及び所有者等の責務を明らかにするとともに、必要な事項を定めることにより、生活環境の保全、安全で安心なまちづくりの推進及び地域コミュニティの活性化に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 空き家等 市内に所在する建築物又はこれに附属する工作物であって、現に人が居住せず、若しくは使用していない状態又はこれらに準じる状態にあるものをいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

(2) 管理不全な状態 次に掲げるいずれかの状態をいう。

 老朽化又は台風等の自然災害のために、空き家等が倒壊し、又は空き家等に用いられた建築材料等が飛散するおそれのある状態

 空き家等に不特定多数の者が侵入することにより、火災又は犯罪が誘発されるおそれのある状態

 空き家等の敷地内の草木が繁茂することにより、周辺の生活環境に著しく害を及ぼす状態

(3) 所有者等 市内に所在する建築物又はこれに附属する工作物を所有し、又は管理する者(所有者が死亡し、遺産分割が未了の場合は、相続人全員を含む。)をいう。

(4) 市民 市内に居住し、滞在し、通勤し、又は通学する者をいう。

(5) 地域コミュニティ 本市の区域内における地域住民相互のつながりを基礎とする地域社会をいう。

(6) 自治組織 行政区、自治会その他の地域住民の組織する団体をいう。

(7) 市民活動団体等 地域コミュニティの活性化又はまちづくりの活動の促進に関わる市民活動団体(ボランティア活動その他の公益的な活動を行うことを目的として市民が組織する団体をいう。)その他の団体をいう。

(市民の自主的な活動)

第3条 この条例は、空き家等を適正に管理するための市民の自主的な活動を妨げるものではない。

(市の責務)

第4条 市は、この条例の目的を達成するため、空き家等の適正な管理の促進のために必要な施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、前項の規定による施策の実施のために必要な体制の整備に努めるものとする。

(所有者等の責務)

第5条 空き家等の所有者等は、当該空き家等の敷地に所在する資材等の整理整頓を行うとともに、当該空き家等が管理不全な状態とならないよう適正な管理を行わなければならない。

(市民の役割)

第6条 市民は、この条例の目的を達成するため、市が行う施策の策定及び実施に協力するよう努めるものとする。

2 市民は、空き家等が管理不全な状態であると認めるときは、速やかに市長にその情報を提供するよう努めるものとする。

(自治組織及び市民活動団体等の役割)

第7条 自治組織及び市民活動団体等は、空き家等の状況及びその所有者等に関する情報の把握その他空き家等の適正な管理に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。

(相互の協力)

第8条 市、空き家等の所有者等、市民、自治組織及び市民活動団体等は、この条例の目的を達成するため、相互に、その果たす役割を理解し、協力するものとする。

(調査)

第9条 市長は、第5条の規定による適正な管理がなされていない空き家等があると認めたとき、又は第6条第2項の規定による情報の提供があったときは、当該空き家等の実態調査を行うことができる。

2 市長は、前項の実態調査を行う場合において必要があると認めるときは、職員に立入調査(当該空き家等及びその敷地に立ち入り、調査し、又は所有者等その他の関係者に質問することをいう。以下この条において同じ。)をさせることができる。この場合において、市長は、必要があると認めるときは、専門的な知識を有する者を当該立入調査に同行させることができる。

3 前項の規定により立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

4 前2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(助言又は指導)

第10条 市長は、前条の調査により、当該空き家等が管理不全な状態になるおそれがあると認めるとき、又は管理不全な状態であると認めるときは、当該空き家等の所有者等に対し、必要な措置について助言又は指導をすることができる。

(勧告及び公表)

第11条 市長は、前条の助言又は指導を行ったにもかかわらず、なお当該空き家等が管理不全な状態にあるときは、当該所有者等に対し、相当の期限を定めて必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

2 市長は、前項の規定による勧告をしたときは、その旨を公表することができる。

3 市長は、前項の規定により公表するときは、当該公表に係る所有者等に意見を述べる機会を与えなければならない。

(命令)

第12条 市長は、当該空き家等の所有者等が前条の規定による勧告に応じないとき、又は市長が必要であると認めるときは、当該所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該所有者等が当該空き家等について有する権限の範囲内で必要な措置を講ずるよう命ずることができる。

(代執行)

第13条 市長は、当該空き家等の所有者等が前条の規定による命令を履行しない場合において、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところにより、市長が当該所有者等のなすべき行為を履行し、又は第三者をしてこれをなさしめること(以下「代執行」という。)ができる。この場合においては、その費用を当該所有者等から徴収するものとする。

2 前項の規定による代執行は、第16条の規定により設置する八女市空き家等審議会の審議を経て行うものとする。

(緊急安全措置)

第14条 市長は、空き家等及びその敷地の管理不全な状態に起因して、人の生命若しくは身体又は財産に危険な状態が急迫した場合において、危険を避けるため、第10条から前条までの規定による措置をとる暇がないと認めるときは、危険な状態を回避するために必要な最低限度の措置(以下「緊急安全措置」という。)をとることができる。

2 市長は、緊急安全措置を実施したときは、当該空き家等の所有者等に対し、次に掲げる事項を通知するものとする。

(1) 緊急安全措置の概要

(2) 緊急安全措置に要した費用

(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

3 第1項の場合において、市長は、緊急安全措置に要した費用を当該所有者等に請求するものとする。

(軽微な措置)

第15条 前条の規定は、市長が管理不全な状態である空き家等について、開放されている窓の閉鎖、草刈りその他の別に定める軽微な措置を採ることにより地域における防災上、防犯上又は生活環境の保全上の支障を除去し、又は軽減することができると認めるときについて準用する。

(空き家等審議会)

第16条 この条例の適正な運用を図るため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により八女市空き家等審議会(以下この条において「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、次に掲げる事務の審議を行うものとする。

(1) 空き家等の所有者等に対する助言、指導、勧告又は命令に関すること。

(2) 代執行に関すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、この条例の適正な運用に関し市長が特に必要と認める事項

3 審議会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(関係機関との連携)

第17条 市長は、緊急を要する場合又は必要があると認められるときは、市を管轄する警察その他の関係機関に対し、必要な情報を提供し、協力を要請することができる。

(支援)

第18条 市長は、所有者等、自治組織及び市民活動団体等に対し、別に定めるところにより必要な支援をすることができる。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成27年1月1日から施行する。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年八女市条例第34号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

八女市空き家等の適正管理に関する条例

平成26年9月26日 条例第24号

(平成27年1月1日施行)