【活動報告】空間を支配し、仲間を信じる!「心と体」を研ぎ澄ます殺陣(たて)の稽古を行いました(R8.6.6)
6月6日、八女市岩戸山歴史文化交流館にて、こども市民劇の稽古を行いました。
今回も前回に引き続き、アクション俳優・殺陣師の浦川忠敬氏による熱い指導です。
今回は保護者も一緒に参加しました。
【「指先ひとつまで意識を」観客に届けるお芝居とは】
「お客様の前でお芝居をするということは、見ている人に何をやっているのかが100%伝わらなければいけない。『これくらいの動きでいいや』と適当に思わないでほしい。舞台の上では、頭の先から指先まで、すべての動きを意識すること。これから教える言葉を真剣に聞いて、真面目に取り組んでほしい」
稽古の始まり、浦川氏からこれからの稽古に向けた重要な心構えが語られました。
この言葉を受け、子どもたちはこれから始まる楽しくも厳しい訓練へ向けて、グッと集中力を高めました。
【視野を広げる「ウインクキラー」と武道の精神「八方目」】
最初に行われたのは、子どもたちも大好きなゲーム「ウインクキラー」。しかし今回は、ただの遊びではありません。 「正面だけを見るのではなく、左右にも気を配り、目の端で周囲の状況を感じてほしい」という浦川氏の狙いがあります。
これは武道でいう「八方目(はっぽうもく)」という技(空間全体に目を配る観察眼)に繋がります。この意識を持って、続いて基本の「殴る」「よける」の連鎖練習に入りました。
列の先頭の人が、次の人のこめかみに向かってフックを放ち、よけた人は次の人へ……とグルグル回りながら行う実践的な訓練です。
・殴る側:本当に当たりそうな時は力を弱めたり、拳を外したりするコントロール。
・よける側:相手の拳をしっかり目で捉え、タイミングを合わせて頭を下げる。
お互いが「八方目」を意識し、周囲の空間と相手の動きを捉えることで、安全かつ迫力のある動きが生まれることを学びました。
【自分の「軸」を知る!バランスの訓練】
次に行われたのは、体のバランス感覚を研ぎ澄ますワークです。 1.2メートルの棒(刀の代わり)を手のひらに立てて落とさないようにキープするバランスゲームから始まり、次はさらに高難度の訓練へ。肘を直角に曲げて両手を広げ、親指と人差し指の間に棒を渡した状態で「片足立ち」をします。さらにそのまま「目をつぶる」という超過酷なルール!
自分の体の中心(軸)がどこにあるのか。目からの情報に頼らず、体幹と感覚だけでバランスを取る難しさに、子どもたちは試行錯誤しながら挑戦していました。
【刀の扱い方と、3人の同調】
続いて、刀(棒)の安全な扱い方についての指導がありました。 「自分の見えないところに刀を振らない。振りたい方向があるなら、まず目線を先に持っていくこと」という、周囲への安全配慮と説得力のある演技の基本を学びます。その教えを胸に、3人一組でダッシュし、同じタイミングでピタッと止まって刀を振り下ろす、息を合わせる練習を繰り返しました。
【命を預ける「信頼関係」のワーク】
稽古の締めくくりに行われたのは、2人1組での背後への信頼のワークです。 前の人が、後ろの仲間を100%信じて、両手を広げたまま後ろ向きに真っ直ぐ倒れ込み、後ろの人がそれをしっかりと受け止めます。
「相手との信頼関係が何より大事。お互いが絶対にケガをしない、させないという強い気持ちを持つこと」
殺陣は一歩間違えれば大ケガに繋がります。だからこそ、誰よりも仲間を信頼し、思いやる心が不可欠です。後ろに倒れる恐怖を乗り越え、仲間ががっしり受け止めてくれた瞬間、子どもたちの間には、目には見えない絆が確かに芽生えていました。
ウインクキラーは誰?!
八方目を意識してキラーに注意!!
拳をしっかり見てよける!
「殴る」・「よける」の連鎖練習
棒を倒さないようバランスをとって…
自分の体の「軸」を感じて
3人でタイミング合わせて棒を振り下ろす
ちゃんと受け止めるから!仲間を信じて!
【稽古を終えて】
プロの技術の奥にある「心・技・体」の本質に触れた子どもたち。 回を追うごとに、その立ち居振る舞いは力強く、そしてお互いを思いやる本物の「劇団」へと進化しています。1500年の歴史を紡ぐ舞台へ向けて、一歩一歩突き進む子どもたちを、これからもぜひ応援してください!
この記事に関するお問い合わせ先
(文化振興課 歴史文化交流館係)
〒834-0006 福岡県八女市吉田1562番地1
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