田崎廣助美術館に行ってみよう23
「山岳画家」と呼ばれるほど日本の名山を描き続けた田崎と阿蘇山の出会いは、八女中学校(現県立八女高等学校)時代に行った学友たちとの徒歩旅行でした。後年「山が私の身体の中に飛び込んでしまった」と表現するほどの衝撃を受けたそうですが、阿蘇を心酔するが故になかなか描くことができず、本格的に描き始めたのは50歳を超えたころでした。画家としての技術の準備が整い、阿蘇を描く自信を深めるまで、数十年の月日を要したのです。これ以降「一生を賭けたテーマ」として数えきれないほどの阿蘇山を描き続けました。
高森峠より見た阿蘇と根子岳 1973年頃 鉛筆・紙(軽井沢 田崎美術館所蔵)