田崎廣助美術館に行ってみよう15

山岳画家として知られる田崎廣助は、日本有数の山々を描く一方で、故郷の山「飛形山」を描いています。

立花町北山生まれの田崎にとって飛形山は、幼い頃から山を駆け廻り、白木川や矢部川で魚釣りをし、時には、空浮かぶ入道雲と飛形山の姿を眺めるなど八女の豊かな自然の中で磨かれた感性は、田崎作品に影響を与えたと言えるでしょう。
また、八女中( 現:福岡県立八女高等高校)への通学や、教師として通っていた上妻小学校への通勤時など、数多く目にしてきた山岳風景。まさに、ふるさとの山と
して田崎の心の中に刻み込まれたかもしれません。飛形山は、標高450メートル。八女市立花町中央に位置し、古くは山岳信仰の場として、また現在では、飛形山自然公園として整備されており、頂上の展望台ではよく晴れた日には、遠く雲仙岳が見え、眼下には八女の町並みを見ることができます。ふるさとの山を描いた作品をぜひ、美術館でご覧ください。

飛形山

「飛形山」インク 紙 油彩(軽井沢田崎美術館所蔵)