田崎廣助美術館に行ってみよう12

この作品は、原作品を手本に、石版(せきはん)を使用して色ごとに刷り重ねる「リトグラフ」と呼ばれる手法でつくられています。雄大な阿蘇の自然をモチーフとして噴煙たちのぼる山容を背景に、カルデラに放牧された馬たちが雑草をはみながら悠久の時間を刻んでいます。画面は上半分と下半分に二分割され、単純化された山肌と草原のゆらぎに折り込まれるコバルトブルーの水辺は引き締まった感覚を添え、陽光ふりそそぐ牧歌的な印象を与える作品です。

阿蘇草千里

「阿蘇草千里」リトグラフ作品