田崎廣助美術館に行ってみよう 7

日本一の高さを誇る富士山は、同時に日本を象徴する山であり、数多くの画家たちを魅了し描かれてきました。

田崎廣助画伯もまた、富士に魅了された一人です。画伯は、1973年(昭和48年)ブラジル・日本の両国で開催された第1回日伯現代美術展の開催にあたり、東郷青児らと共にブラジルとの美術交流、友好親善に尽力。

その功績が認められ最高名誉章・文化章であるグラン・クルーズ章、コメンダドール・オフィシアール章をブラジル政府より贈られました。

さらに1979年(昭和54年)には日伯美術連盟会長にも就任し、当作品は1978年(昭和53年)に開催された第3回日伯現代美術展へ出品されました。

サンパウロ、リオデジャネイロでの開催の際は、この美術展を訪れたブラジル移民の日本人一世たちが、二度と戻れないかもしれない故国を思い、画伯の描いた崇高な富士山の姿を見て、涙を流したともいわれています。
 

早春の富士山

「早春の富士山」
1977年(昭和52年) (軽井沢 田崎美術館所蔵)