田崎廣助美術館に行ってみよう 6

今回の作品『由布岳』は、大分県由布市と別府市にまたが()る標高1583m。その秀麗な山容から豊後富士と呼ばれ、約2200年前には、規模の大きな噴火活動があり、その後しばらくは小規模噴火を繰り返してはいますが、有史から現在に至るまで記録に残る噴火活動は起きていない火山です。

『阿蘇くじゅう国立公園』の一角にあり、眺める方角によって、様々な山容を見せてくれます。

山は古来より神として、山そのものを神体とし崇めてきました。由布岳は女神 宇奈岐日女として信仰されてきた山であり、女性的な美しいが感じられる山だったのでしょう。

田崎廣助画伯は、「大空に噴煙あげる阿蘇山は男神の姿であり、それに対し、由布岳は、女神の姿である」と述べています。

画伯が、男性的で雄大なスケールで力強く描いた『阿蘇山』と、女性的な山容を描いた『由布岳』を比べながら、美術館でぜひご鑑賞下さい。

由布岳

「由布岳」
1960年(昭和35年) (軽井沢 田崎美術館所蔵)