田崎廣助美術館に行ってみよう 2

田崎廣助画伯は、1932年(昭和7年)5月、東京を出発し、福井県敦賀港よりウラジオストックに渡り、シベリア鉄道でパリに向かいました。この時、廣助34歳。画家としては、決して早くはない留学でした。
パリ滞在中に、サロン・ドートンヌ展に2作品を出品し、両作品とも入選を果たします。これは当時、フランスの新聞に無名の日本人が入賞したと大きく扱われ、祖国日本でも報道されました。
画伯は、パリを拠点に南フランス、イタリア、スペインに写生旅行に出かけ勉学に励み、実りある留学生活を送ります。
また、幼い頃より故郷・矢部川で魚釣りに熱中した画伯は、パリでも仲間を誘っては、スケッチを兼ねてセーヌ川の上流にあるモレーまで、よく釣りに出かけていました。本作品は、魚釣りを楽しんでいる人が画伯の目に留まったのでしょうか。パリ郊外の牧歌的風景が描かれています。

 

※現在、この作品は展示されておりません。

パリ郊外

「パリ郊外」
1933年(昭和8年)頃 (軽井沢・田崎美術館所蔵)