○八女市家族介護用品給付事業実施規程
令和5年3月16日
告示第43号
(目的)
第1条 この告示は、介護用品が必要な状態にある寝たきり高齢者及び要介護認知症高齢者に対し、介護用品を支給することにより、在宅で介護する家族の身体的、精神的、経済的な負担を軽減し、もって在宅福祉の推進に資することを目的とする。
(1) 高齢者 おおむね65歳以上(介護保険法(平成9年法律第123号)第27条第4項第2号に規定する第2号被保険者の特定疾病に該当する者を含む。)で、八女市に居住し、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第5条に規定する住民基本台帳に記録されている者
(2) 寝たきり高齢者 老衰、心身の障害、傷病等のため別表第1のランクB又はランクCに該当する者
(3) 要介護認知症高齢者 別表第2のランクⅢ、ランクⅣ又はランクMに該当する者
(4) 介護用品 紙おむつ、尿取りパッド、おしり拭きのことをいう。
(5) 在宅 1か月のうち10日以上自宅又は介護者の自宅で生活している実態があることをいう。
(実施主体)
第3条 八女市家族介護用品給付事業(以下「事業」という。)の実施主体は、八女市(以下「市」という。)とする。
(対象者)
第4条 この事業の対象者は、次に掲げる要件に該当する者とする。
(1) 在宅で介護用品を必要とする者
(2) 第6条に規定する申請をした日(以下「申請日」という。)の属する年度(申請日が4月1日から6月30日までの場合は前年度分)における市町村民税が非課税である者
(3) 寝たきり高齢者又は要介護認知症高齢者(介護保険法第27条第7項の規定に基づき要介護認定を受けている場合は、要介護4又は5に該当する者)
2 前項の規定にかかわらず、対象者が次のいずれかに該当するに至ったときは、この事業の対象者としないものとする。
(1) 生活保護法(昭和25年法律第144号)に基づく同様の給付を受けるようになった場合
(2) 知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)に規定する知的障害者更生施設又は知的障害者授産施設に入所するに至った場合
(3) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)に規定する身体障害者更生施設、身体障害者療護施設又は身体障害者授産施設に入所するに至った場合
(4) 生活保護法に規定する救護施設又は更生施設に入所するに至った場合
(5) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)に規定する老人ホームに入所するに至った場合
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)に規定する病院又は診療所に入院するに至った場合
(7) 介護保険法に基づき許可を受けた老人保健施設に入所するに至った場合
(8) 介護保険法に規定する介護保険施設に入所するに至った場合
(9) 厚生省通知身体障害者福祉法及び児童福祉法に基づく補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準に係る完成用部品等の指定及びその運用について(平成12年3月31日障第289号)の別添「補装具の種目、受託報酬の額等に関する基準に係る完成用部品等の指定」によるストマ用装具にかわる用具類の支給対象者に該当する場合
(10) 介護保険料の滞納がある場合
(11) 前各号に掲げるもののほか、市長が不適当と認めた場合
3 対象者の判定は、市の保健師が行うものとする。
(1) 対象者の属する世帯に課税者がいる場合 対象者1人当たり月額5,000円
(2) 対象者の属する世帯全員が非課税の場合 対象者1人当たり月額6,000円
(申請手続)
第6条 対象者又は介護を行っている家族は、市長に対して、家族介護用品給付申請書(様式第1号。以下「申請書」という。)を提出するものとする。
2 市長は、介護用品の給付の承認をした者を、家族介護用品給付台帳(様式第3号)に登録するものとする。
(協定事業所の選定等)
第8条 市長は、この事業の適切な運営が確保できるように、介護用品の支給を行う事業所と協定書(様式第4号)により、協定を締結するものとする。
2 介護用品の給付の決定を受けた者は、市が協定を締結した協定事業所から介護用品を受け取るものとする。
2 対象者は、介護用品の給付を受けたときは、協定事業所に給付券を提出する。
3 協定事業所は、市に対して給付券を添付の上、請求書を利用月の翌月10日までに提出し、費用の請求を行うものとする。
(給付期間)
第10条 介護用品の給付期間は、市長が申請に基づき給付を決定した日の属する月から、給付の決定をした日の属する当該年度の末日までとする。ただし、給付期間の途中で対象者に該当しなくなった場合は、対象者に該当しなくなった日の前日の属する月までとする。
(1) 第4条の対象者に該当しなくなった場合
(2) 対象者が在宅の状態にない場合(ただし、市長が申請に基づき給付の決定をした月を除く。)
(3) 対象者が死亡した場合
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が不適当と認めた場合
(補則)
第12条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、令和5年4月1日から施行する。
別表第1(第2条関係)
障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準
生活自立 | ランクJ | 何らかの障害などを有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。 1 交通機関等を利用して外出する。 2 隣近所へなら外出する。 |
準寝たきり | ランクA | 屋内での生活はおおむね自立しているが、介助なしには外出しない。 1 介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する。 2 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている。 |
寝たきり | ランクB | 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。 1 車椅子に移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う。 2 介助により車椅子に移乗する。 |
ランクC | 一日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する。 1 自力で寝返りをうつ。 2 自力では寝返りもうたない。 |
(判定に当たっての留意事項)
1 この基準による判定は、市の保健師が行うこととする。
2 判定に際しては「~をすることができる」といった「能力」の評価ではなく「状態」、特に『移動』に関わる点に着目して、日常生活の自立程度を4段階にランク分けすることで評価するものとする。
3 補装具、自助具、杖や歩行器、車椅子等を使用している状態で判定して差し支えない。
4 4段階の各ランクに関する留意点は、以下のとおりである。
ランクJ 何らかの身体的障害などを有するが、日常生活はほぼ自立し、一人で外出する者が該当する。
なお、「障害等」とは、疾病や障害及びそれらの後遺症あるいは老衰により生じた身体機能の低下をいう。
J―1はバス、電車等の公共交通機関を利用して積極的に、また、かなり遠くまで外出する場合が該当する。
J―2は隣近所への買物や老人会等への参加等、町内の距離程度の範囲までなら外出する場合が該当する。
ランクA 屋内での日常生活活動のうち食事、排泄、着替に関しては概ね自分で行い、留守番等をするが、近所に外出するときは介護者の援助を必要とする場合が該当する。
なお、「ベッドから離れている」とは離床のことであり、ふとん使用の場合も含まれる。
A―1は寝たり起きたりはしているものの、食事、排泄、着替時はもとより、その他の日中時間帯もベッドから離れている時間が長く、介護者がいればその介助のもと、比較的多く外出する場合が該当する。
A―2は日中時間帯、寝たり起きたりの状態にはあるもののベッドから離れている時間の方が長いが、介護者がいてもまれにしか外出しない場合が該当する。
ランクB 日常生活活動のうち、食事、排泄、着替のいずれかにおいては、部分的に介護者の援助を必要とし、一日の大半をベッドの上で過ごす場合が該当する。
排泄に関しては、夜間のみおむつをつける場合には、介助を要するものとはみなさない。
なお、車椅子は一般の椅子や、ポータブルトイレ等で読み替えても差し支えない。
B―1とB―2とは座位を保つことを自力で行うか介助を必要とするかどうかで区分する。
B―1は介助なしに車椅子に移乗し、食事も排泄もベッドから離れて行う場合が該当する。
B―2は介助のもと、車椅子に移乗し、食事又は排泄に関しても、介護者の援助を必要とする。
ランクC 日常生活活動の食事、排泄、着替のいずれにおいても介護者の援助を全面的に必要とし、一日中ベッドの上で過ごす。
C―1はベッドの上で常時臥床しているが、自力で寝返りをうち、体位を変える場合が該当する。
C―2は自力で寝返りをうつこともなく、ベッド上で常時臥床している場合が該当する。
別表第2(第2条関係)
認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
ランク | 判定基準 | 見られる症状・行動の例 | 判定に当たって留意事項及び提供されるサービスの例 |
Ⅰ | 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。 | 在宅生活が基本であり、一人暮らしも可能である。相談、指導等を実施することにより、症状の改善や進行の阻止を図る。 具体的なサービスの例としては、家族等へ指導を含む訪問指導や健康相談がある。また、本人の友人づくり、生きがいづくり等心身の活動の機会づくりにも留意する。 | |
Ⅱ | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 | 在宅生活が基本であるが、一人暮らしは困難な場合もあるので、訪問指導を実施したり、日中の在宅サービスを利用することにより、在宅生活の支援と症状の改善及び進行の阻止を図る。 具体的なサービスの例としては、訪問指導による療養方法等の指導、訪問リハビリテーション、デイケア等を利用したリハビリテーション、毎日通所型をはじめとしたデイサービスや日常生活支援のためのホームヘルプサービス等がある。 | |
Ⅱa | 家庭外で上記Ⅱの状態が見られる。 | たびたび道に迷うとか、買物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスがめだつ等 | |
Ⅱb | 家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる。 | 服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との応対など一人で留守番ができない等 | |
Ⅲ | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。 | 日常生活に支障をきたすような行動や意思疎通の困難さがランクⅡより重度となり、介護が必要となる状態である。 「ときどき」とはどのくらいの頻度を指すかについては、症状・行動の種類等により異なるので一概には決められないが、一時も目が離せない状態ではない。 在宅生活が基本であるが、一人暮らしは困難であるので訪問指導や夜間の利用も含めた在宅サービスを利用し、これらのサービスを組み合わせることによる在宅で対応を図る。 | |
Ⅲa | 日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 | 着替え、食事、排便、排尿が上手にできない。時間がかかる。 やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為等 | 具体的なサービスの例としては、訪問指導、訪問看護、訪問リハビリテーション、ホームヘルプサービス、デイケア・デイサービス、症状、行動が出現する時間帯を考慮したナイトケア等を含むショートステイ等の在宅サービスがあり、これらのサービスを組み合わせて利用する。 |
Ⅲb | 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。 | ランクⅢaに同じ | |
Ⅳ | 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。 | ランクⅢに同じ | 常に目を離すことができない状態である。症状・行動はランクⅢと同じであるが、頻度の違いにより区分される。 家族の介護力等の在宅基盤の強弱により在宅サービスを利用しながら在宅生活を続けるか、又は特別養護老人ホーム・老人保健施設等の施設サービスを利用するかを選択する。施設サービスを選択する場合には、施設の特徴を踏まえた選択を行う。 |
M | 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 | せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態等 | ランクI~Ⅳと判定されていた高齢者が、精神科病院や認知症専門棟を有する老人保健施設等での治療が必要となったり、重篤な身体疾患が見られ老人病院等での治療が必要となった状態である。専門医療機関を受診するよう勧める必要がある。 |
(判定に当たっての留意事項)
1 この基準による判定は、市の保健師が行うこととする。
2 判定に際しては、意思疎通の程度、見られる症状・行動に着目して、日常生活の自立の程度を5区分にランク分けすることで評価するものとする。評価に当たっては、家族等介護に当たっている者からの情報も参考にする。なお、このランクは介護の必要度を示すものであり、認知症の程度の医学的判定とは必ずしも一致するものではない。