○八女市政治倫理条例

平成16年3月23日

条例第12号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者たる市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)及び市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己及び特定の者の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民の市政に対する主権者としての正しい認識と自覚を喚起することによって、公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

(平19条例10・一部改正)

(市長等及び議員の責務)

第2条 市長等及び議員は、市民全体の代表者として、市政に携わる権能と責務を深く自覚し、市民の信頼に値する高い倫理性を持つとともに、市民に対し常に自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない。

2 市長等及び議員は、その職に就任後速やかに市長等にあっては市長に、議員にあっては市議会議長(以下「議長」という。)にこの条例を遵守する旨の誓約書を提出しなければならない。

(市民の責務)

第3条 市民は、主権者として自ら市政を担い、公共の利益を実現する責任を負うことを自覚するとともに、自己の利益又は第三者の利益若しくは不利益を図る目的を持って、市長等又は議員に対して、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(政治倫理基準)

第4条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の代表として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 市及び地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第221条第3項に規定する法人が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約に関して、特定の業者を推薦し、又は紹介するなど有利な取計いをしないこと。

(4) 市職員(嘱託職員及び臨時職員を含む。以下同じ。)の公正な職務執行を妨げ、又はその権限若しくはその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(5) 市職員の採用に関して推薦又は紹介をしないこと。

(6) 議員は、市職員の昇格又は異動に関して、推薦又は紹介をしないこと。

(7) 政治活動に関して、企業、団体等から寄附等を受けないものとし、その後援団体についても、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。

2 市長等及び議員は、前項の政治倫理基準に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(資産等報告書の提出義務等)

第5条 市長等及び議員は、毎年1月1日現在の資産、地位及び肩書、前年1年間の収入、贈与及びもてなし並びに税等の納付状況について、毎年5月15日から5月31日までの間に、次条第1項に定める資産等報告書を市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。ただし、市長等及び議員が、次項の規定により資産等報告書を提出したときは、その任期開始の日の属する年については、この限りでない。

2 市長等及び議員は、その任期開始の日(再選挙、補欠選挙又は増員選挙により当選人となった者にあってはその選挙の期日とし、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第259条の2の規定の適用がある者にあっては当該者の退職の申立てがあったことにより告示された選挙の期日とし、更正決定又は繰上補充により当選人と定められた者にあってはその当選の効力発生の日とし、副市長及び教育長にあってはその選任又は任命の日とする。)において有する資産、地位及び肩書、前年1年間の収入、贈与及びもてなし並びに税等の納付状況について、同日から起算して60日を経過する日までに、次条第1項に定める資産等報告書を市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。

3 前2項の資産等報告書には、規則で定めるところにより必要な証明書類を添付しなければならない。

4 市長及び議長は、第1項及び第2項の規定により資産等報告書が提出されたときは、その提出期限から15日以内に、当該資産等報告書を市民の閲覧に供しなければならない。ただし、前項の証明書類は、閲覧の対象としない。

5 前項の閲覧期間は、閲覧開始の日から市長等及び議員の任期満了の日までとする。

6 市民は、閲覧により知り得たことをこの条例の目的に沿うよう適正に活用しなければならない。

(平19条例10・平27条例13・一部改正)

(資産等報告書)

第6条 資産等報告書には、次に掲げる事項を記載するものとする。

(1) 資産

 土地 所在、地目、面積、価額及び取得の時期

 建物 所在、種類、構造、床面積、価額及び取得の時期

 不動産に関する権利(借地権等) 権利の種類、契約期日、契約価格及び取得の時期

 動産 取得価格が50万円以上の動産(自動車等をいう。ただし、生活に通常必要な家具、什器及び衣服類を除く。)の種類、数量、取得価格及び取得の時期

 ゴルフ場の利用に関する権利(譲渡することができるものに限る。) ゴルフ場の名称、口数、取得の時期及び取得価格

 預貯金 預入金融機関、預貯金の種類及び金額

 有価証券

(ア) 公債又は社債(これらの発行者ごとの額面金額の総額が50万円以上のものに限る。)の名称、種類及び額面金額の総額

(イ) 株式(銘柄ごとの額面金額の総額が50万円以上のものに限る。)の銘柄、株数、取得の時期及び額面金額の総額

(ウ) 出資先(出資の総額が50万円以上の出資先に限る。)、当該出資先に対する出資の額及び出資の時期

(エ) その他の有価証券(当該有価証券の種類ごとの額面金額の総額が50万円以上のものに限る。)の種類及び額面金額の総額

 信託に関する権利 1件につき年間の投資額が50万円以上の信託に関する権利の種類、受託者、信託財産の種類、数量、価額及び信託の時期

 貸付金及び借入金 1件につき50万円以上の貸付金及び借入金の明細、契約期日及び金額

 保証債務 金銭保証、身元保証等の保証債務の内容及び金額(ただし、金銭保証については、同一人に対し総額50万円以上のものに限る。)

(2) 地位及び肩書 企業その他の団体(宗教的、社交的及び政治的団体を除く。)において有するすべての地位及び肩書

(3) 収入、贈与及びもてなし

 給与、報酬、事業所得、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、講演料、原稿料、年金その他の収入の金額

 贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)を受けた場合には、その出所、内容及びその価額又は金額。ただし、1出所当たり3万円以上のもの

(4) 税等の納付状況

 住民税、固定資産税、国民健康保険税及び軽自動車税の前年度分の納付状況

 その他普通地方公共団体に関する使用料等の前年度分の納付状況

 上水道料金等の前年度分の納付状況

2 市長等及び議員は、その任期開始の日後毎年新たに有することとなり、又は有しないこととなった1月1日現在における前項第1号アからまでに掲げる資産等について、当該資産等の区分に応じ当該区分に掲げる事項を記載した資産等補充報告書を前条第1項の提出期間内に提出し、同項に規定する資産等報告書に換えることができる。

(平27条例13・一部改正)

(政治倫理審査会の設置)

第7条 資産等報告書の審査その他の政治倫理確立のために必要な事項の調査等の処理を行うため、法第138条の4第3項の規定に基づき、八女市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会の委員(以下「委員」という。)は、7人とし、政治倫理及び資産等報告書の審査等に関して専門的知識を有する者並びに法第18条に定める選挙権を有する市民のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員の定数の3分の2以上の同意を必要とする。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(審査会の職務)

第8条 審査会は、次に掲げる職務を行う。

(1) 資産等報告書の審査結果を市長に報告すること。

(2) 第11条第2項の規定による調査の求めに応じ、必要な調査、回答及び勧告をすること。

(3) 説明会の開催に関し、市長の諮問を受けて意見書を提出すること。

(4) その他この条例による政治倫理の確立を図るため、市長の諮問を受けた事項につき調査、答申、勧告又は建議をすること。

2 審査会は、前項の職務を行うため、市長等、議員その他の関係人(配偶者を含む。)に対し事情聴取を行い、又は資料の提出を求めるなど必要な調査を行うことができる。

(平27条例13・一部改正)

(資産等報告書の審査)

第9条 市長は、第5条第1項及び第2項の規定により提出された市長等の資産等報告書の写しを審査会に提出し、審査を求めなければならない。

2 議長は、第5条第1項及び第2項の規定により提出された議員の資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、これを審査会に提出し、審査を求めなければならない。

3 審査会は、前2項の規定により審査を求められたときは、当該審査を求められた日から起算して90日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。

4 市長は、前項の規定により提出された意見書のうち議員に係る意見書を議長に送付しなければならない。

(平27条例13・一部改正)

(審査結果の閲覧)

第10条 市長及び議長は、前条第3項の規定により意見書が提出されたときは、当該意見書が提出された日から起算して15日以内に当該意見書を市民の閲覧に供するとともに、その要旨を速やかに広報紙等に掲載しなければならない。

2 第5条第5項及び第6項の規定は、前項の閲覧について準用する。

(平27条例13・一部改正)

(市民の調査請求権)

第11条 市民は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に調査を請求することができる。

(1) 政治倫理基準に違反する疑いがあるとき。

(2) 資産等報告書に疑義があるとき。

(3) 第18条の市工事等に関する遵守事項に違反する疑いがあるとき。

2 前項の規定により調査の請求があったときは、議長は、議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを市長に送付し、市長は、市長等又は議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを当該調査の請求があった日から起算して7日以内に審査会に提出し、調査を求めなければならない。

3 審査会は、前項の規定により調査を求められたときは、当該調査を求められた日から起算して90日以内に、市長に対し、書面により調査結果の回答をしなければならない。

4 市長は、前項の回答で議員に係るものについては、議長に送付しなければならない。

5 第3項の規定による回答があったときは、当該回答があった日から起算して7日以内に、市長等に係るものにあっては市長が、議員に係るものにあっては議長が、その写しを当該請求をした者に送付しなければならない。

(虚偽報告等の公表)

第12条 審査会の意見書に資産等報告書の提出の遅滞、虚偽の報告又は調査に協力しなかった等の指摘があったときは、市長等に係るものについては市長が、議員に係るものについては議長が、その旨を速やかに広報紙等で公表しなければならない。この場合において、次項の規定により弁明があったときは、当該弁明の内容も併せて公表するものとする。

2 市長又は議長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ資産等報告書の提出の遅滞、虚偽の報告又は調査に協力しなかった等の指摘があった市長等又は議員に対し、弁明の機会を与えなければならない。

3 前2項の規定は、前条第3項の回答について準用する。

(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)

第13条 市長等又は議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に定める罪その他職務に関連する犯罪(以下「職務関連犯罪」という。)容疑による逮捕後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。

(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)

第14条 市長等又は議員が職務関連犯罪容疑による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に市民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明しなければならない。

(市民による説明会の開催請求等)

第15条 市民は、第13条又は前条の規定による説明会が開催されないときは、法第18条の規定に基づく選挙権を有する者30人以上の連署をもって、当該市長等又は議員に説明会の開催を請求することができる。

2 前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等に係るものについては市長、議員に係るものについては議長を通じて行うものとする。

3 市民は、説明会において当該市長等又は議員に質問することができる。

4 市長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。

5 市長は、前項の規定により提出された意見書が議員に係るものにあっては、当該意見書を議長に送付しなければならない。

(職務関連犯罪による第1審有罪判決後の説明会)

第16条 前2条の規定は、市長等又は議員が第14条の罪による第1審有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする場合に準用する。ただし、開催請求の期間は、当該判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。

(職務関連犯罪による有罪確定後の措置)

第17条 市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法第11条第1項その他法律の規定により失職する場合を除き、市長又は議会は、その名誉と品位を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、必要な措置を講ずるものとする。

(市工事等に関する遵守事項)

第18条 市長等及び議員の配偶者及び1親等の親族、市長等及び議員並びにそれらの配偶者が役員をしている企業並びに市長等及び議員が実質的に経営に携わっている企業は、法第92条の2、第142条、第166条、第168条及び第180条の5の趣旨を尊重し、市、法第284条第2項の規定により設けられた市が加入する一部事務組合及び法第221条第3項に規定する法人が行う工事等の請負契約、業務委託契約及び一般物品納入契約を辞退し、市民に疑惑の念を生じさせないよう努めなければならない。

2 前項に規定する「実質的に経営に携わる企業」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 市長等及び議員が資本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している企業

(2) 市長等及び議員が年額300万円以上の報酬(顧問料等その名目を問わない。)を受領している企業

(3) 市長等及び議員がその経営方針に関与している企業

3 前2項の規定に該当する市長等及び議員は、市民に疑惑の念を生じさせないため、責任をもって関係者又は関係企業の辞退届を提出しなければならない。

4 前項の辞退届は、市長等及び議員の任期の開始の日から30日以内に、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出するものとする。

(平20条例1・平27条例13・一部改正)

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

(誓約書の提出の特例)

2 この条例の施行の日において市長等及び議員である者は、第2条第2項の規定にかかわらず、この条例の施行の日以後速やかに市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に同項に規定する誓約書を提出しなければならない。

(資産等報告書の提出の特例等)

3 この条例の施行の日において市長等及び議員である者は、第5条第1項の規定にかかわらず、同日において有する第6条第1項各号に掲げる資産等について、当該資産等の区分に応じ当該各号に掲げる事項を記載した資産等報告書を、同日から起算して60日を経過する日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。

4 第5条第3項から第7項まで及び第9条から第12条までの規定は、前項の規定により提出された資産等報告書について準用する。

(適用区分)

5 第13条から第16条までの規定は、この条例の施行の日以後に逮捕され、起訴され、又は有罪とする判決の宣告を受けた市長等及び議員について適用する。

(政治倫理の確立のための八女市長、助役、収入役及び教育長の資産等の公開に関する条例の廃止)

6 政治倫理の確立のための八女市長、助役、収入役及び教育長の資産等の公開に関する条例(平成7年八女市条例第18号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(旧条例廃止に伴う経過措置)

7 この条例の施行の際現に市長等である者が、旧条例第2条から第4条までの規定により提出した資産等報告書及び資産等補充報告書、所得等報告書並びに関連会社等報告書の保存及び閲覧に関する旧条例第5条の規定は、この条例の施行の日以後においても、なおその効力を有する。

(八女市附属機関の設置に関する条例の一部改正)

8 八女市附属機関の設置に関する条例(昭和56年八女市条例第2号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

9 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年八女市条例第34号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

附 則(平成19年3月26日条例第10号)

この条例は、平成19年4月1日から施行する。

附 則(平成20年3月27日条例第1号)

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成27年3月18日条例第13号)

この条例は、公布の日から施行する。

八女市政治倫理条例

平成16年3月23日 条例第12号

(平成27年3月18日施行)

体系情報
例規集/第3編 行政通則/第7章 政治倫理
沿革情報
平成16年3月23日 条例第12号
平成19年3月26日 条例第10号
平成20年3月27日 条例第1号
平成27年3月18日 条例第13号