矢部ある記(1)日向神の奇岩 七福神岩

矢部村紹介の機会をいただき、たいへん光栄に存じます。

(写真)日向神の恵比須岩

まずは村の玄関、神話伝説の日向神です。天照大神の孫「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」が御前岳を経て地上に降り立った地は、日向から神を迎えたとして「日向神」とよばれ、神々の天馬が蹄で蹴破ったという蹴洞岩があります。妃の木花之開耶姫(このはなのさくやひめ)が住んだ黒木町「月足」では、神が蹴破った石を祀っています。

蹴洞岩の対岸に切り立つ雄大な岩を正面岩(ハート岩とは、湖畔のほんだ寿司店主が発案)といい、中央に姉天照大神、左に弟素戔鳴尊(すさのおのみこと)、右は日向神大明神こと瓊瓊杵尊を祀っています。正面岩のパワーをこれら三神で表したのでしょう。

この奥には、五00万年前に裂け目に入ったマグマが冷えて、長い年月風化・浸食されてできた奇岩が並び立っています。

人々はいつしか、青空にそびえる美しい雄大な奇岩を七福神に見立て、幸運・財運・長寿を祈るようになりました。七福神は下図の□かこみ、ダムは天戸岩(あまといわ)と黒岩の間に建設されています。

写真は「日向神の恵比須岩」

次に七福神を紹介します。

烏帽子姿で鯛を釣り上げている「恵比須」。この神は、唯一日本でつくり出された神で、大漁・豊作・繁盛をもたらします。頭巾姿で右手に小槌、左手に袋を持った「大黒天」。食物・財福・出世にご利益のある神です。甲冑の姿で鬼を踏みつけ右手に経を納める塔をささげた「毘沙門天」。幸運・長命・勝利・思いやりをもたらす神です。

白蛇と宝冠をかぶり、琵琶を持つ紅一点の女神は「弁財天」。音楽・弁才・財福の神です。つき出た腹に袋を背負い施し歩いた中国の禅僧「布袋」。弥勒菩薩(みろくぼさつ)の化身と言われ、開運・良縁・子宝をもたらします。短身・長頭・白ひげで杖に経巻、白鶴を連れたのが「福禄寿」。南極星の化身で、幸運・財宝・長寿の神とされます。長頭で杖に巻物、長寿を保つ黒鹿に難を救う団扇の姿は、南極星の化身で「寿老人(じゅろうじん)」。健康・長寿・幸福をもたらす神です。

(イラスト)地図イメージ

では、七福神岩ある記です。

トンネルを抜けると矢部の村。日向神ダムを前に左折して八百米、赤い蹴洞橋に着きます。橋からの正面岩は絶景、左が寿老人岩です。この岩の下を奥へ七百米、岩トンネル手前の右上に蹴洞岩を望み、つながる左横の岩は毘沙門岩。その左のとがった岩は、二百米先キャンプ場橋の手前右上方に、衣を広げた弁財天岩となります。川沿いに二百米進むと、杉木立を抜け川の向こうに岩肌が見える地点で、右上に巨大な糸撚岩に寄り添う恵比須岩と左方の布袋岩が、左山手には花立こと福禄寿岩と巨岩二つの大黒岩が見える絶好のポイント( 笑顔マーク )に達します。

七福神岩一つひとつには、五00万年前の強大なエネルギーが込められています。そのパワーを、現地でお感じいただければ幸いです。

矢部村 山口久幸

(参考「矢部村誌」平4、事典ウィキペディア/図「八女津媛山探勝記」昭4馬場豊二著)

今回から、山口久幸さんによる「矢部ある記」をお送りします。山口さんは矢部公民館長として活躍中。神話や伝承が息づく矢部村からどんなお話が届くのか、楽しみにお待ちください。

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