第5章 地域福祉活動計画 第1節 取り組みの体系 社会福祉協議会は、地域福祉を推進する中核団体として、地域の皆さんとともに、地域に根ざした活動を展開していきます。 第3次計画は、第2次計画を継承することを基本とし、「前例どおりではなく、常に内容や手法を工夫して現状に即した事業を進める」「課題を解決する資源がない場合は、地域の実情に即して新たな事業や資源の開発に取り組む」「全市一律ではなく、地域特性に応じたかたちでの波及を図る手法を基本とする」という方向性も継承します。 この章では、市民に「社会福祉協議会がどのような福祉のまちづくりを目指していくのか?」を明らかにし、「心豊かに、共に支えあい、安心して健やかに暮らせる、優しいまち やめ」を共通の基本理念として掲げ、施策体系を共有しながら、地域福祉を推進します。 第2節 具体的な事業・活動内容 社会福祉協議会が現在実施している事業及び今後実施を計画している取り組みごとに、その具体的な内容を以下に記載します。事業進捗計画表については、新規及び拡充事業、見直しを要する内容について記載します。 【基本目標1】相談しやすい雰囲気づくり 【重点的な取り組み】 市民に情報を分かりやすく適切に提供するとともに、相談支援体制を強化し、専門機関と連携して適切な支援につなげる仕組みづくりを進めます。 福祉総合相談機能を充実し、福祉・保健・医療など、関係機関との連携を図り、複雑化した福祉の課題を抱える人や世帯に、速やかに対応できるよう、横断的な相談支援を進めます。 (1)支援の情報を分かりやすく伝える 1 広報の充実 やめ社協だよりの発行(ねん12回) 福祉の情報紙として「やめ社協だより」を発行し、社協の事業・活動とともに、地域の福祉問題や地域で行われている福祉活動の情報を広く掲載します。内容の充実を図り、読みやすい紙面づくりに取り組むために、広報編集委員会を設置し、多くの市民に読んでもらえるような紙面づくりや音声コードを掲載するなど、高齢者やしょうがいのある人に配慮した文字や文章の工夫に努めます。 ホームページの活用 ホームページを随時更新し、福祉活動や福祉に関する支援の情報についても、最新の内容を掲載していきます。分かりやすい福祉情報を提供できるようなページの工夫や各支所専用ページを充実させ、各支所の情報掲載に努め、地域の特色の発信や提供を行います。 関係機関とリンクするなど、ホームページを充実させ、ほかの関係機関の情報を得やすい環境を整えます。 パンフレットの活用 社会福祉協議会の組織や事業内容の情報について市民に発信や提供を行い、地域福祉活動への参加を得るために、パンフレットを見直し、活用します。 FMやめや報道機関、SNSの活用 FMやめや報道機関、SNSを活用した広報活動を行います。 2 地域の場の活用及び地域人材との連携 地域の様々な場でのきめ細かな情報提供 民生委員児童委員や福祉委員など、地域において相談活動に携わる人たちと連携し、相談に来ることができない人のもとや、まちづくり団体ごとに設置する福祉部会、福祉ネットワーク推進委員会やふれあいサロンなどの地域の集まりに積極的に出向き、相談支援や地域で行われている福祉活動に関する情報の提供を行います。あわせて、民生委員児童委員及び主任児童委員、福祉委員をはじめ、地域の人々と協力しあえる関係を作り、きめ細かな情報提供に努めます。 3 専門性の向上 相談支援体制の充実  困難を抱えた人に寄り添う専門性を持つ職員の育成に努めます。相談活動に携わる職員に対し、相談を受容し丁寧に対応できる研修をおこなうとともに、外部研修への積極的な参加や社会福祉士などの資格取得を支援しながら、職員の資質と専門性の向上に努めます。あわせて、専門性の高い相談支援への対応と相談者の利便性の向上のため、市担当課及び地域包括支援センターなど、各相談支援機関や専門職との間で役割分担や支援目標の共有をおこない、連携を強化します。 4 福祉総合相談と分野横断的連携 福祉総合相談センター事業の実施 社会福祉協議会には、取り組みの公共性の高さやネットワークの幅広さから、多機関や多業種の組織や団体をつなぐ役割が求められています。この特性をふまえ、ほんしょ・各支所に福祉総合相談センターを設置し、子どもから高齢者、しょうがい者、ひとり親家庭、生活困窮者など、様々な分野の横断的な相談支援を進めます。 地域包括支援センターとの連携 地域包括ケアシステムの視点を共有し、小地域福祉活動と日常生活圏域ケア会議や小地域ケア会議などの地域包括支援センター活動との連携を図ります。 しょうがい者基幹相談支援センターとの連携 しょうがい者基幹相談支援センターと連携して、しょうがいのあるかたやその家族などからの相談に対応するとともに、福祉サービスの利用支援をはじめとする様々な社会資源や成年後見制度など、権利擁護のために必要な制度を利用するための支援をおこないます。 (2)身近で気軽な相談支援を進める 1 相談しやすい体制づくりと総合相談の充実 必要な人が気軽に利用できる雰囲気づくり 市民の身近な相談窓口として、生活上の困りごとに関する相談窓口を設け、心配ごと相談や法律相談、司法書士相談の開催をはじめ、相談に携わる人たちへの研修会を開催し、相談事業の充実を図ります。また、多様な相談窓口がある現状をふまえ、心配ごと相談運営の一部見直しをおこなうとともに、相談日以外にも福祉総合相談センターで相談を受け付けるなど、必要な人が気軽に利用できる雰囲気と相談しやすい体制を整えます。 地域に出向いた相談支援  まるごとサポーターの活動として、地域に出向いていくこと(アウトリーチ)を徹底し、制度の狭間にある支援につながりにくい生活課題を発見し、問題解決に向けた対応と支援のネットワークづくりに取り組みます。 民生委員児童委員連絡協議会との連携 民生委員児童委員活動と社会福祉協議会活動は地域福祉を進める、いわば車の両輪であり、民生委員児童委員連絡協議会活動への協力をおこなうとともに、顔の見える関係づくりを図るため、毎月1回開催される校区会長会及び校区ごとに開催される定例会に参加し、協力関係を強化します。 基本目標2 連携した支援ができる体制づくり 【重点的な取り組み】 福祉サービスの向上に努め、より質の高い福祉サービスの提供により、利用者や家族への支援に努めます。 地域共生社会の実現のために、ボランティアによる住民参加型福祉サービスをはじめとした地域支援事業の充実を図ります。 認知症や知的・精神しょうがいなどにより判断能力が十分でないかたの権利と財産を守り、安心して生活を送ることができるよう支援する体制の更なる基盤強化に努めます。 深刻な福祉課題や生活課題ほど潜在化していることから、民生委員児童委員をはじめ、地域包括支援センター、社会福祉法人などと連携して、訪問によるニーズ把握に努めます。 「社会的つながりが弱い人」に寄り添い、誰もが違いを認めあい、お互いに支えあうことができる関係性及び支援体制づくりに努めます。 (1)福祉サービスの量や質の充実を図る 1 利用者及び家族支援の充実 在宅福祉サービスの実施に伴う福祉課題の把握や解決 在宅福祉サービス(介護保険法や障害者総合支援法に基づく事業、市委託事業)を実施する中で、法定のサービス提供のみならず、利用者及び家族の生活課題や福祉問題の発見に努めます。あわせて、まるごとサポーター及び生活支援コーディネーターの活動により、利用者ニーズや生活課題を把握し、必要なサービスの充実を図ります。 特別養護老人ホーム運営事業(矢部支所) 介護保険法に基づく介護老人福祉施設「ゆいのもり」の運営及び同施設での短期入所生活介護事業などを実施します。施設の機能を活かし、施設スタッフ(看護師、栄養士、介護福祉士)をふれあいサロンなどへ派遣し、介護の仕方や栄養指導、介護サービスなどの情報提供をおこないます。そのほか、福祉サービス利用者や地域の子どもたちなどの参加による多世代交流事業「ふれあい田んぼ」に取り組みます。 授産所麻生園運営事業(星野支所) 身体や精神上の理由、または世帯の事情により就業能力が限られている人に対して、就労または技能の習得のために必要な支援を目的に実施します。授産施設の機能を活かし、自立と生活の安定を図るため、生活支援や就労などの活動支援、社会参加、相談支援、権利擁護など、地域で暮らすニーズに対応していきます。 2 地域課題把握と地域支援 生活支援体制整備事業の実施 個別支援だけでは解決できない地域課題の解決を図るために、買い物や移動などの新たな課題や福祉ニーズを整理し、地域の組織ときょうどうしながら地域支援活動を展開します。 八女市から委託を受けて生活支援コーディネーターを配置し、地域包括支援センターなど、関係する組織団体との協議を深めながら生活支援体制の整備を進めます。 協議体の機能強化及び地域づくり支援 福祉部会をはじめ、日常生活圏域ケア会議を活用した「協議体」の機能強化に取り組みながら、高齢者の生活課題及び地域の課題把握に努めるとともに、市担当課をはじめ、関係団体との横断的な連携を図り、支えあいの地域づくりを目指します。 また、市担当課及び各校区のまちづくり団体と連携しながら、行政区(町内会・自治会等)が実施する福祉的な活動や行事を支援していくために、コロナ禍に配慮したボランティアや講師派遣の提案をおこないます。あわせて、地域づくりに継続的に取り組む幅広い関係者の参加を促し、生活支援や就労支援を一体的におこなうなど、地域ぐるみの「共生」をつくる支援の仕組みづくりについて検討します。 〇地域介護予防活動の推進 ふれあいサロン以外の「通いの場」の把握に努めるとともに、ふれあいサロンに来られない人がふれあいサロン以外の「通いの場」に参加している状況や双方に参加していない人の実態把握を切り口として、八女市や関係機関との連携による介護予防の取り組みについて検討します。 生活支援体制の基盤強化 市担当課及び関係機関、まるごとサポーターと連携して、訪問による生活支援サービスが必要な高齢者の実態把握に努め、住民同士の助けあいによる生活支援サービス「お助けサポート事業」につなげます。 あわせて、多様な生活支援サービスのニーズに対応するため、ボランティアコーディネーターと連携して、生活支援ボランティアの養成と登録を推進します。 地域介護予防活動支援事業の実施  フレイルサポーターの育成及び登録の推進(新規) コロナ禍も重なり、今後増加が予想されるフレイル(加齢により筋力や認知機能、社会とのつながりが低下した状態)対策として、八女市と連携して、介護予防講演会の開催をはじめ、フレイルサポーター養成講座を開催し、フレイルサポーターの育成及び登録の推進に努めます。フレイルサポーターの派遣を通して、介護予防活動による健康と福祉のまちづくりの推進を図ります。 専門指導士の派遣 運動機能及びこうくう機能の向上など、専門指導士をふれあいサロンに派遣し、高齢者の介護予防に努めます。 3 権利擁護の充実 日常生活自立支援事業・やめあんしんサポート事業の推進  判断能力が不十分なために、日常生活に困っている人に対して、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などをおこなう生活支援員の養成に努めながら、日常生活自立支援事業を推進します。また、その事業に該当しない身体しょうがい者やそのた必要とされる人については、独自事業であるやめあんしんサポート事業の利用を促進します。 法人後見支援事業の推進(拡充) 八女市社会福祉協議会の法人後見の特徴である、「法人としての組織的対応」、「日常生活自立支援事業と連動した一体的な支援」をふまえ、成年後見制度の相談をはじめ、申立書類の手続き支援を拡充し、法人として成年後見人などになり、財産管理や身上保護など継続的な支援をおこないます。支援にあたり、福祉・医療・地域の関係者と後見人がチームとして本人を見守り、本人の意思や状況を継続的に把握しながら後見業務をおこないます。 成年後見制度利用の促進 必要な人が成年後見制度を利用できるよう、八女市から成年後見制度利用促進中核機関運営事業の委託を受け、権利擁護支援のための地域連携ネットワークを構築するとともに、市民に分かりやすい広報啓発や申立支援をはじめ、日常生活自立支援事業からのスムーズな移行ができる体制整備、親族後見人などへの支援をおこないます。 市民後見人の育成(新規) 「地域福祉の視点を重視した市民による後見活動」を進めていくために、八女市と連携して、受任体制の強化と後見業務の一部を担う市民参加型による「市民後見人」の人材育成に努めます。 居住支援の推進 住まいは生活の基点となります。誰もが安心して生活できるようにするため、住まい探しの支援や住み続けるために必要なサービスの一元的な提供、調整をおこないます。 居住支援法人活動の実施 高齢者やしょうがい者、外国人、子育て世帯など、住まいをなかなか見つけられない人に対して部屋探しから入居中の困りごとまで、住まいに関する多岐にわたる相談に対応します。あわせて、不動産業者や市担当課などと協力し、住まいのセーフティネットを構築します。 福祉資金貸付相談の受付 低所得世帯や高齢者及びしょうがい者世帯など、必要に応じて、生活困窮世帯への各種資金の貸付をおこなうとともに、借受世帯の自立更生を促進します。 民生委員児童委員及び福祉事務所と協力し資金貸付の相談対応をおこなうとともに、資金貸付後も引き続き、継続的に困っている生活困窮世帯に対し、必要に応じて、関係機関へのつなぎやフードバンクなどによる支援をおこないます。 家計相談支援事業の実施 福祉事務所や関係機関と協力し、生活困窮世帯の自立に向けて、生活困窮者自立支援法による家計相談支援事業を受託し、事業を実施します。実施にあたり、消費生活相談窓口、多重債務相談窓口、福祉事務所、弁護士などと連携して、各種制度につなげながら支援します。 苦情相談窓口の充実 社会福祉協議会が提供するサービスへの苦情に対し、相談窓口を設置し、苦情相談受付担当者と解決責任者を配置するとともに、第三者委員会において公平な立場での苦情解決と調整をおこないます。 (2)連携した支援体制の充実を図る 1 新たなニーズの発掘・支援 八女市社会福祉法人連絡会との連携による支援体制強化 社会福祉法人には、福祉サービスの供給確保の中心としての役割があります。最近ではさらに、地域の中で生活していくために必要な福祉サービスにつながりにくい、制度の狭間に置かれている人について、関係者との連携の中で課題を発見し、きめ細かく柔軟に対応するなどの様々なニーズに応えることが求められています。そのため、八女市社会福祉法人連絡会と連携して、それぞれの分野の専門性を活かした支援のネットワーク体制を強化します。あわせて、コロナ禍で開催が困難になっている社会福祉法人連絡会役員会などの開催方法を見直し、課題解決に向けた具体策などについて共有化を図りながら、支援体制の強化に努めます。 2 地域を基盤とした福祉的活動の支援体制の拡充 地域公益事業の推進 こんにち、福祉に求められているニーズは多種多様化しており、公的支援だけでは不十分なケースや福祉分野のみでは解決できないケースが多くあります。各種福祉制度の対象とならない人や制度による支援が足りない地域への対応など、公的支援では対応できていない部分を補う、インフォーマルな支援を推進します。 各法人の専門性や強みを活かして、福岡県社会福祉協議会をはじめ、八女市社会福祉法人連絡会と連携して、ごみ屋敷の清掃や災害時の支援活動など、その地域ごとのニーズに応える地域公益事業を推進します。 ふくおかライフレスキュー事業への参加 やめ市内の社会福祉法人がふくおかライフレスキューサポーター養成研修に参加し、サポーター登録の推進を図るとともに、「今日明日食べるものがない」「電気・ガス・水道が止められた」「失業した」「虐待やDVを受けている」などの相談について、サポーターが実際に現場に行き、自分の目と耳で確認しながら、各種制度やサービスにつなぐなど、生活が安定するまでの支援をおこないます。緊急の場合は、福岡県社会福祉協議会や八女市社会福祉法人連絡会ライフレスキュー部会と密に連携して、迅速な対応をおこないます。 3 制度の狭間と複雑化・複合化した問題への対応  重層的支援体制整備事業の推進による包括的支援体制の構築 個別の専門支援機関だけでは制度の狭間で解決につながりにくい、地域住民の複雑化・複合化した課題や支援ニーズに対応する包括的支援体制を整備するため、重層支援コーディネーター及びまるごとサポーターを配置します。具体的な事業については、八女市からの委託事業として「多機関きょうどう事業」「アウトリーチ等継続的支援事業」「参加支援事業」を受託し、福祉総合相談センター事業をはじめ、生活支援コーディネーターによる地域支援事業、福祉生活支援室(ほっと館やめ)のひきこもり支援を活かし、1断らない相談支援、2地域とのつながりづくり及び参加支援、3地域づくりに向けた支援を一体的に実施します。 重層的支援体制整備事業を通して、ニーズの把握や課題抽出、支援目標の設定、地域の現状分析や問題の発見、社会資源の開発など、地域の生活課題解決に要する技量を高めます。あわせて、より多くの人や団体の参加・協力を得て、多様な主体がそれぞれに持ち味を生かした力を発揮できるようなアプローチをおこない、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制の構築に努めます。また、参加支援を拡充するために、福祉生活支援室(ほっと館やめ)の増設について検討します。 基本目標3 絆を深め孤立化を防ぐ地域づくり 【重点的な取り組み】 地域には特性があり、それぞれの現状と課題もあります。その中で地域づくりを進めていくためには、住民同士がそのことを踏まえながら住民自身で話しあうことが重要になります。このような話しあいの場づくりや協議を進めるための関わりを持ちながら、住民の絆を深める地域づくりの支援を進めます。 コロナ禍において、地域内の気になる人を把握し、継続的に見守っていく必要性は更に高まっています。対面が難しくても様々な工夫により、地域でお互いに気にかけあい、寄り添う力を高めながら要援護者の在宅生活を支えるために、公的サービスとともに家族や近隣住民などお互い顔の見える範囲での助けあい活動によって、地域から孤立させない取り組みをおこないます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、基本的には社会参加及び居場所づくりの活動は難しいものの、外出することなく自宅に閉じこもることによる高齢者の機能低下や子どものいる世帯の孤立化は深刻であることから、様々な感染対策をおこない、居場所を確保する取り組みをおこないます。 生活困窮者に対する支援事業として、フードバンク事業及び子ども食堂支援、学習支援活動への協力など、事業の充実を図ります。 いつ、どこで起きるか分からない自然災害への備えが喫緊の課題となっています。コロナ禍に対応した、災害時に迅速に機能するネットワークの構築など、災害ボランティアセンターの基盤整備をおこないます。 (1)地域での身近な助けあいを進める 1 福祉組織の支援 やめ社協だよりやホームページの活用 社協だよりやホームページを活用して、隣近所の人たちなどによる地域の支えあい活動の取り組みを紹介し、お互いに支えあい、助けあう活動が地域福祉の基盤であることを啓発します。 見守り連絡員の設置の推進 隣近所で毎日のように顔をあわせ、見守りができる「見守り連絡員」の設置を進めます。 福祉委員の設置の推進と協力 地域福祉活動への協力者として、世帯数が多い行政区(町内会・自治会等)や広範な行政区(町内会・自治会等)を中心に「福祉委員」の設置を進めます。研修会や相談支援によるフォローアップもおこないます。 福祉委員は、民生委員児童委員や行政区長の協力者として、見守りを通して、福祉問題の早期発見に努めます。 2 小地域福祉活動の推進 福祉ネットワーク推進委員会の設置の推進と協力 小地域福祉活動の基本となる行政区(町内会・自治会等)や民生委員児童委員の担当区において、福祉情報の共有や福祉問題の早期発見、連絡体制づくりなどの協議の場として「福祉ネットワーク推進委員会」の設置を進めます。 福祉部会の設置の推進と協力 市内21のまちづくり団体ごとに、「福祉部会」の設置を進めます。福祉部会は地域の生活問題、福祉課題の情報共有や解決に向けた話しあいなど、地域福祉の核となり、地域の実情に応じた活動をおこないます。あわせて、福祉のつどいを開催しながら、福祉活動の啓発などもおこないます。 生活支援コーディネーターは、未来づくり協議会が主催する研修会に参加し、地元でおこなわれている地域づくり活動などの現状や課題を把握するとともに、福祉部会の中で説明会や懇談会を開催し、福祉情報の提供や共有をおこない、小地域福祉活動の紹介及び助けあい、支えあい活動の推進に努めます。 個人情報に配慮しながら進める地域福祉活動 地域福祉活動を進めるためには、日常的なつながりや支えあいなどを通して、お互いを知ることが大切です。そのためには、要援護者などの情報共有が必要になります。情報の共有には、個人情報やプライバシーを保護する観点から十分な配慮が必要です。しかし、個人情報保護法を形式的に適用した結果、地域住民を助けられないという事態を避けるため、情報の共有やその範囲(必要な情報とは何か)などを確認しながら、日常的な地域福祉活動を支援します。 3 居場所づくりの強化 フレイルサポーターなどを活用した通いの場の活性化(新規) フレイルサポーターを活用することにより、コロナ禍で自粛を余儀なくされている、ふれあいサロンなどの「通いの場」の活性化を図るとともに、「通いの場」を活用し、市担当課をはじめ、保健事業コーディネーターや医療機関と連携して、介護予防を推進します。 子どもの居場所づくりの推進 地域の実情を知る生活支援コーディネーターやまるごとサポーター、ボランティア、関係機関と連携して、子どもたちが安心して立ち寄り過ごせる居場所づくりを推進し、子どもたちの育ちやその保護者を温かく見守り支える地域づくりにつなげます。 地域における子どもの居場所づくりの拡充 地域の実情やニーズにあった、子どもたちが安心して立ち寄り過ごせる居場所づくりを拡充します。 関係機関との連携による子ども・子育て世帯のSOSの早期発見・早期対応 関係機関と連携を強化し、子どもへの居場所の周知や居場所を必要とする子どもの利用促進に努めます。また、訪問支援などの際に、日常生活の中での子どもやその保護者の困りごとを把握した際は、必要な支援につなげます。 子ども食堂支援 関係機関や企業と連携して、子ども食堂を実施する団体に対し、運営支援をはじめ、フードバンク事業の活用を含めた物的支援をおこないます。 学習支援活動への協力 子どもの支援をおこなう団体が実施する学習支援活動に協力するとともに、団体とのつながりを深めます。あわせて、高校生による学習支援ボランティアのコーディネートをおこないます。 ひきこもり支援及び生活困窮者支援の拠点施設の運営 ひきこもり支援やフードバンク事業による生活困窮者支援の拠点施設として、福祉生活支援室「ほっと館やめ」を運営します。また、八女市と連携を強化し、下記の支援事業を通してひきこもりや生活困窮に関する相談窓口の充実に努め、訪問支援やフリースペースを活用した料理教室、軽作業といった参加支援を実施します。 ひきこもりサポート事業 ・不登校、ひきこもりに関する相談支援 不登校、ひきこもりに関する相談窓口として、必要に応じて関係機関につなぐとともに、フリースペースを活用した参加支援をおこないます。 ・当事者団体や関係機関との連携による支援 不登校・ひきこもり親の会や精神対話士などの支援者、医療機関との連携による個別支援をおこないます。 ・農業などを通した居場所づくりの確保による社会参加の促進 野菜づくりや一時雇用(臨時)などを通した参加支援及び授産施設との連携による家庭内作業などを通した参加支援をおこないます。 ・教育関係機関及び相談支援機関との連携 八女市教育支援センター「あしたば」との連携による軽作業体験を通した相談支援及び参加支援をおこないます。 ・ひきこもりに関する講演会の開催 ひきこもりに関する福祉課題への気づきとひきこもりを身近な問題と捉えるための講演会を開催します。 ・外国人支援団体との連携による相談支援 外国人支援団体及び関係機関との連携による個別支援を実施します。 フードバンク事業 市民や民間企業への食品募集によるフードバンク事業の展開及び子ども食堂支援をおこないます。 セルフヘルプ(自助)グループへの支援 様々な生きづらさや共通の課題を持つ人が自主的につながり、共感しながら悩みを打ち明け、問題解決のために経験や情報を分かちあい、相談活動や社会に理解を広める活動をおこなうグループの組織化及び支援をおこないます。 4 社協会費・共同募金を活用した地域福祉活動の支援 自主財源を活用した地域福祉活動の推進 社協会費や赤い羽根共同募金は、地域住民がお互いに助けあいながらおこなう地域福祉活動を支援していく重要な役割を担っていることについて、広報などを活用して啓発します。社協会費や共同募金の使途を丁寧に説明することで、募金(寄付)に対する理解と協力を求め、今後も地域福祉活動の財源として確保し、活用していきます。 5 生活支援活動の推進 予約型乗合タクシーの情報提供 予約型乗合タクシーの利用登録手続き及びオペレーター業務をおこないます。あわせて、利用登録や申請の仕方を知らないかたには、改めて利用方法などについて広く啓発し、情報提供をおこないます。 外出支援ボランティアの育成・確保 高齢者、しょうがい者の外出支援活動として、福祉有償運送事業の運転ボランティアを育成するために講習会を開催し、移動困難者への支援体制づくりを進めます。あわせて、生活支援コーディネーターの活動により、移動支援に係るニーズや資源を把握し、必要なサービスの検討をおこないます。 買い物支援の推進 買い物は日常生活にとって欠かせないものであると同時に、買い物支援による交流や見守り活動は地域でおこなう生活支援の一部にもなっています。地域の特性やニーズにあった買い物支援に取り組むとともに、生活支援コーディネーターによる協力店舗の開拓など、資源の掘り起こしを進めながら買い物支援を広げていきます。 地域での買い物支援の拡充 その地域の特性やニーズにあった買い物支援に取り組みます。 小地域福祉活動との有機的な連携 買い物は出かける動機づけになりやすく、閉じこもり予防や介護予防の効果もあるため、ふれあいサロンなどの小地域福祉活動との有機的な連携を図ります。 宅配に関する店舗情報の整備 食料品や日用品などを自宅まで配達されている地元店舗の情報を載せた「買い物資源一覧表」の整備を引き続きおこない、地域包括支援センターと共有化を図ります。 協力店舗・事業所の開拓 買い物支援を広げていくために生活支援コーディネーターによる協力店舗及び事業所の開拓をおこないます。 ごみ出し支援事業の推進 ごみ置き場まで持っていくことが困難なひとり暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯及びしょうがいのあるかたがいる世帯などを対象に、社協ボランティアセンターに登録いただいた生活支援ボランティアを派遣し、見守りを兼ねた可燃ごみ出しの支援をおこないます。ごみ出し支援の取り組みを通して、生活支援コーディネーターやまるごとサポーター、市担当課、関係機関などによる重層的な見守りにつなげていきます。 生活支援サービス「お助けサポート事業」の推進 電球の交換や買い物、布団乾燥など、日常生活の中でちょっとした困りごとについて、社協ボランティアセンターに登録いただいた生活支援ボランティアがお手伝いする、生活支援サービス「お助けサポート事業」を推進します。 ⑥ 生活困窮者支援事業の拡充 フードバンク事業の充実 広報などを活用した市民への食品募集や事業所へのフードドライブの推進を図り、食品や日用品の寄付物品の確保に努め、コロナ禍により急増する生活困窮世帯などに対して提供します。また、フードバンク事業を通して、関係機関との連携を強化し、制度の狭間に置かれている人の相談支援の強化に努めます。 子ども宅食の充実 まるごとサポーターの機能を発揮し、市担当課や子ども食堂と連携を強化して、居場所が必要にもかかわらず、子ども食堂に参加できていないなど、支援の必要な世帯の把握に努めます。あわせて、子ども食堂からお弁当づくりの協力を得て、訪問支援を兼ねた宅配をおこないます。 (2)災害時の避難に備える 1 災害ボランティアセンター 災害ボランティアセンター機能の強化  近年、自然災害が頻発する中、コロナ禍においては、全国から広く災害ボランティアを募ることが難しくなっており、市内や福岡県内といった身近な地域での人材確保や協力・連携が求められています。いつ発生するか分からない自然災害への備えとして、組織的・効果的な支援活動ができるよう、災害時の相互協力協定団体との連携や研修会を開催するとともに、福祉と防災の分野の枠を越えて平常時と災害時をつなぐ取り組みをおこないながら、災害ボランティアセンターの基盤整備をおこないます。 災害時相互協力協定団体との連絡会及び災害ボランティアセンター設置訓練など研修会の開催 災害時対応の手引きの見直し 福岡県社会福祉協議会や近隣の社会福祉協議会との連携 災害ボランティア事前登録の推進 八女市社会福祉法人連絡会との連携による災害支援 八女市社会福祉法人連絡会との連携を通して、災害時に迅速な支援活動をおこないます。特に、災害ボランティアセンターの設置までには至らない災害においては、発生時から3日以内の迅速な支援活動をおこないます。 (3)地域の見守りで防犯力を高める 1 小地域ネットワーク活動の推進 地域のネットワークによる平常時の見守り機能の強化(拡充) コロナ禍において、普段通りの日常生活を続けることが困難な状況にあります。平常時からの人とのつながりが安心・安全につながることを踏まえ、孤立死対策、防犯、防災の決定打としての「ご近所福祉」を推進するため、民生委員児童委員や市担当課、関係機関と連携を強化し、福祉委員活動や福祉ネットワーク推進委員会活動などの裾野を広げ、地域の防犯力の向上に努めます。 消費者問題の被害などを未然に防ぐことをテーマにした、地区福祉のつどいや福祉委員研修会を開催します。 福祉マップ作成支援などを通して、地域で孤立している人々を把握し、地域に元々存在する助けあいや支えあい、地域づくり活動につなげながら、平常時の見守りネットワーク体制を強化します。平常時の見守り機能を強化することにより、犯罪に巻き込まれるといった、更に深刻な状態にならないようにする予防機能の強化につなげます。 基本目標4 社会参加の意識づくり 【重点的な取り組み】 福祉課題を自分のこととして感じられるように、その時々の福祉課題をテーマに講座やつどいなどによる情報発信をおこない、「福祉でまちづくり」の土壌を築く取り組みを進めていきます。 対象者にあわせた講座開催などを通して、デジタル活用の支援を図ります。 地域共生社会の実現に向け、共生の思想を定着させ、個人の尊厳を守る社会への転換に資する福祉教育を展開します。 ボランティア活動に参加していない人やボランティア活動を知らない人もまだまだ多く、ボランティアの高齢化や担い手不足が大きな課題であることを踏まえ、ボランティアに関する情報提供を積極的におこないます。 既存ボランティア団体と連携して、ボランティア講座の開催などを通してボランティアの育成をおこないます。 ボランティア活動をおこなう個人や団体に登録をしてもらい、利用したい人の希望にあった活動内容を選択できるような需給調整をおこなう仕組みづくりを進めます。 (1)共に生きる社会について学ぶ場をつくる 1 対象者に合わせた学ぶ機会の提供 暮らしと福祉の講座の開催(拡充) 地域での福祉課題・生活課題について広くテーマを設定し、年間を通して取り組みます。地域により福祉課題・生活課題は異なるため、ほんしょ・支所エリアの状況に即した講座を開催します。 福祉のつどいの開催(拡充) 福祉部会及び各校区のまちづくり団体と協議しながら、地域の福祉課題を提起する場・啓発の場として福祉のつどいの開催を推進します。 デジタルシニア講座の開催(拡充) 社会のデジタル化に対応するため、市担当課と連携して、高齢者がスマートフォンの機能などを学び、使いこなすことができるよう、デジタルシニア講座を開催します。 あわせて、スマートフォンを日常生活や日頃からの福祉活動にも活用できるような支援をおこないます。 福祉教育の推進(拡充) 福祉教育教材「ともに生きる」の活用促進 福祉教育教材「ともに生きる」を市内の小学校に活用していただくように進めます。 福祉体験学習・講座の支援(小・中学校等) 市内の学校などで福祉体験学習(車いす体験・高齢者疑似体験)や講師派遣のコーディネート(手話体験・点字体験等)、当事者団体との交流をおこないます。 (2)交流・ふれあいを促進する 1 交流の場を通した地域課題の把握と人材育成 ふれあいサロン活動の支援(拡充) 高齢者やしょうがいのある人などが気軽に参加でき、孤立防止や認知症、寝たきり予防の効果も期待できる交流の場として、継続的なふれあいサロン活動への支援をおこないます。あわせて、各日常生活圏域の生活支援コーディネーターとふれあいサロンの連携を強化し、地域課題や支援ニーズの把握、地域人材・資源の発掘に取り組みます。 【具体的な支援内容】 ふれあいサロン立ち上げの支援をはじめ、支援者講座及び連絡会議の開催、運営費の助成、ふれあいサロン活動を担う当事者団体への支援をおこないます。 歩いていける範囲にふれあいサロン会場がない面積の広い地域には、複数のふれあいサロン設置を検討します。 運動や体操を取り入れたプログラムを推奨し、介護予防機能の強化に取り組みます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況により、一時的に会場に集まれなくなった際にもつながる取り組みについて検討します。 在宅介護者の会活動への協力 在宅介護者の会が実施する介護者のつどいやリフレッシュ事業などの支援をおこなうほか、介護や認知症の課題を地域のこととして考えていく場づくりとして、各種講座を開催します。 不登校・ひきこもり親(家族)の会活動への協力 不登校・ひきこもり親(家族)の会が実施するつどいの支援を継続的におこないます。相談事業を通して電話や来所などによる、ひきこもりに関する相談に応じ、適切な支援機関へつなぐなど、ひきこもり支援を推進します。 2 福祉的活動への支援 各種の福祉事業(団体)の活動に対する支援・協力 地域福祉を推進するため、シニアクラブや身体障害者福祉協会など、各種福祉事業(団体)の活動に対する支援・協力をおこないます。 八女市金婚式の開催 八女市在住の結婚50周年を迎えたご夫婦に対し、記念式典を開催し、交流の場を広めていきます。 多世代交流事業の推進 世代間の交流が希薄である今、3世代がふれあえる交流事業を地域の実情に応じて実施します。 (3)ボランティア活動に参加しやすくする 1 ボランティア団体支援 広報啓発活動の充実(拡充) やめ社協だよりやホームページ、FMやめを活用してボランティアに関する情報提供をおこなうとともに、様々な機会やツールを活用したボランティア活動の周知・啓発をおこないます。 ボランティアセンターの運営強化(拡充) ボランティアセンターの運営を強化するためにボランティアコーディネーターを配置し、現在活動している団体の紹介や登録の見える化をおこない、SNSを活用した需給調整など活動の活性化を図ります。また、困りごとが複雑化する中で、ボランティアの担い手も個人、地域の団体、NPO法人、企業、協同組合など、多様になっています。これらの多様なボランティアをつなぎ、制度の狭間にある課題や専門性の高い課題に対応するボランティアの養成など、ボランティアセンターの運営を強化します。 ボランティアの育成(拡充) ボランティアの育成を図るために、各種ボランティア活動の支援をおこなうとともに、新たにひとりでも多くの市民が「自分にできること=ボランティア」として、参加・行動することができる環境づくりに取り組み、ボランティアの発掘や受け皿づくりを進めます。あわせて、市担当課と連携して、生活支援コーディネーターを中心に生活支援ボランティアの育成を強化し、担い手の裾野を広げていく体制づくりに努めます。 各種ボランティア活動への支援 退職者・シニアなど、幅広い層の社会参加を促進する新たな活動プログラムの開発 分野を越えた多様な人や団体とのきょうどうによる活動の開発 ボランティアセンターのコーディネート機能と農業など、福祉分野以外とも連携したボランティア活動づくり ボランティア登録の推進と保険の加入促進(拡充) ボランティア登録の推進を図るとともに、ボランティア活動中に起こる様々な事故に備えて、ボランティアの登録及び保険加入を推進します。 2 コーディネート機能の充実 ボランティアコーディネート機能の充実(拡充) ボランティア活動を推進し、相談、斡旋及び需給調整などのコーディネート機能の充実に努めます。 ボランティア活動についての相談、斡旋 福祉活動に関するボランティア活動団体の登録整備 3 講座開催 各種ボランティア講座の開催(拡充) ボランティア入門講座や実践講座など、活動別の講座内容を充実させるとともに、ボランティア活動や地域での支えあいについて、学びの場を提供します。